さこ街浪漫

GO ON A HIGHWAY

僕が提案するダサいロックンロールのはなし

ロックバンドを一つご紹介。


アメリカが生んだ地味な奇跡のグループ、Enuff Z'Nuff(イナフズナフ)。曲はボーカルの Donnie Vie とベースの Chip Znuff によるものが多い。

 
デビュー当時はかなりしっかりめのメイクをした色物っぽい感じがあったのだが、普通のオッサンバンドになっていった。
 
いっときグランジっぽい重めのアルバムも出したのだが、やはり彼らの魅力はストレートなウルトラポップ。そのメロディーに一度ハートを射抜かれたらもう逃れることはできない。楽曲の良さはハードロック界随一である。
 
2009年の川崎クラブチッタは良い思い出である。
 
 
 
ここで1曲だけご紹介。
 
Baby Loves You:
1991年のアルバム「Strength」に収録。例えば好きな女の子にデートを申し込んだがあっけなく断られた時に友達とカラオケに行って歌いたくなる曲である。おそらくその日は朝までコースだ。添加物たっぷりの甘ったるいナントカサワーを15杯くらい飲んでぶっ倒れ、忌わしい太陽がうっすらと新宿の空を照らし始める頃エレベーターを這い出して高円寺の汚れた路上に酒と唾と涙を吐く。そんな青白い青春の影にピッタリな曲である。
 
トウモロコシウィスキーの代わりにサントリー白角をチビチビとやりながら、ロック史上最高峰の胸キュンロックに今夜も身を任せる。夜は長い。意中のあの娘を待つには夜は長すぎるのである。