さこ街浪漫

GO ON A HIGHWAY

歴史

昨日、卒業の曲について書いたその夜、新宿BLAZEに行ってきた。

 

ここ最近、おそらく去年あたりからだろうか、PASSPO☆は、安斉奈緒美根岸愛を中心としてコーラスに力を入れてきた。その進歩具合には正直目を見張るものがある。上三度はもちろん、下三度、下四度と、やや難しそうな音も最近ではこなすようになってきた。コーラスが増えてくると俄然、表現の幅が広がる。ハーモニーの無い The Beach Boys をイメージして欲しい。それでも多くの人がサーフしたいと思うだろうか。

 

これまで、PASSPO☆をアイドルだと(強く)思ったことは無く、彼らの言うとおり、「ガールズロックユニット」だと思ってきた。事実、ロック色の強い楽曲が多く、ロック好きのファンを惹きつける理由がそこにある。しかし、昨日のステージは何か少し違っていた。通常のレコーディングバージョンと異なるアレンジが多く加えられていたこともそう感じた原因ではあるのだが、何かこう若者たちが歌って踊っているだけではない、貫禄というとちょっと違うのだが何か構えが変わったというか凄みというか何とも言えない雰囲気を感じていた。コーラスもとても力強かった。表現する言葉を知らない自分がなんとも歯がゆい。

 

オープニングはViVi夏だった。今年、おそらく最初のViVi夏だった。@JAM でも TIF でも聞くことは無かった。そのとき、僕たちの夏はまだ終わっていなかったと思った。

 

その夜、新宿BLAZEのステージ上で奥仲麻琴が脱退を表明した。本人の口からそれを聞くことができたことを心より嬉しく思う。

 

歴史とは変化である。

 

移り変わる時間の陰影を人は歴史と呼び整理することで様々な出来事をなんとか理由づけし、片付けようとしてきた。良かったことも辛かったことも、思い出して整理し、語ることで人はそれを理解しようとしてきた。変化無くして歴史が作られることはない。変化の無いことは「無」のようなものである。人も変化していく。

 

「私たちも、ここにいる全ての人も、永遠にいるわけじゃない。このまま永遠に変わらないことなんて何もないんだよ。」彼らの言葉は決して借りものではなかった。(※ここでは伏せておくが、2014年は彼らにとって不幸な出来事が重なっている)

 

2015年1月1日の TOKYO DOME CITY HALL を最後に、奥仲麻琴はグループを脱退する。

 

これからも彼らの変化に期待したい。この先も、いつか来るその日まで、彼らの歴史に何度でも立ち会おうと思う。そして語ろう。