さこ街浪漫

GO ON A HIGHWAY

サクラ色

来年の春には新しい生活が待っている、もしくは、願わくばそうなっていて欲しいと願う人たちに曲を紹介したい。(なお、そういう人がこの文章を読むのかどうかは関係無いのだ)

 

曲名: サクラ色

アーティスト名: ぱすぽ☆(グループの現在の表記はアルファベットだが、当時の表記は“ぱすぽ☆”だった)

 

テーマは卒業。2010年に発売されたアルバム「TAKE☆OFF」に収録された。もとは、舞台「サクラ色」のテーマ曲で、この舞台を収録した DVD に同梱されていたものだが、その直後に発売となった左記のアルバムにも収録されることになった。これを書いている今は2014年09月28日で、決して新しい曲ではないのだが、どうしても喋りたい曲なのである。

 

このミュージックビデオは全編にわたってほぼスタジオ収録である。何も無い真っ白な部屋で10人が立って歌っているだけである。正確には立っているのかどうかすらわからない。足元が一切映らないのだ。彼女たちの表情、唇の動き、眉の動き、瞬き、その瞳をカメラが淡々と追う。ときどき、桜の花や学校らしき建物がそこに重なって映し出される。何もないことのメッセージ。色を付加しないことの色合い。彼女たちの魅力が全面に押し出された映像になっている。それぞれの表情も良い。客室乗務員をモチーフにしたコスチュームのスカイブルーが揺れる。

 

最も特筆すべきはこの楽曲自身である。松本、細野のコンビなど、1980年付近のポップスには好きな曲が多いが、あの頃の楽曲たちに全く負けていないと自負(他人の曲だが)している。作曲/編曲は「Bamboo Hellicopter」となっているが、その正体はわからない。PASSPO☆の曲の中でも最も好きな曲の一つである。

 

そして増井みおである。彼女の圧倒的な表現力をそこに見ることができる。もちろんだが他のクルーもみんな良い。現場がそうであったかどうかは知る由もないが、のびのびと自由に表現できているように感じる。

 

そして注目すべきは歌い始めの藤本有紀美である。「眩しさに~かざして」のところで彼女は一度歌おうとしてやめるのだ。自由さなのか、間違えたテイクが収録されてしまったのか事実は不明だが、明らかに様子がおかしい。そしてあの笑顔である。彼女はPASSPO☆の太陽である。彼女の笑顔無くしてPASSPO☆の存続は無かっただろう。彼女のPASSPO☆での位置付けは“チーフパーサー”だ。あまり前面には出てこないが、背後からクルーを、そしてキャプテンを見つめる姿を僕たちはよく知っている。

 

 


ぱすぽ☆ 『サクラ色』 - YouTube